ぼくじょう日記

てらお牧場に起こる出来事を書きつらねていきます。

LetsNoteをWindows10にした

ずっとアップグレードするように促され続けていましたが、今日の朝で一応前期の授業がすべて終了(試験はありますけど)したので、ノートPCでプレゼンをする機会はすぐにはない状況になりました。そこで、Windows10へのアップグレードをやってしまうことにしました。 いちおうデスクトップマシンはすでにWindows10ですし、あまり恐怖感はありませんでしたので、比較的気軽にアップグレードを選択。数十分でかなりあっけなくアップグレードが終了しました。 今のところ特に問題はないように思います・・

授業が終わったこととあわせてご報告まで。

「人間環境学Ⅰ」授業は今日まで

人間環境学Ⅰは今日で授業を終えました。あとはレポートを残すのみです。

僕自身は地学(それもかなり気象学に偏った)の専門なので、勢いそういう話が多くなります。大気と生物の間の物質交換と、その海バージョンなどの話をしています。でも、もう少し生きた周囲の環境と人間との関係を物語る現象に立ち入って授業を構成したいと思ってもいました。少しはチャレンジを込められたかな、と思うところもあります(里海に少し立ち入ってみた)。

実際には、並行していろいろな多忙化をもたらす課題に追われていて、なかなか力を割けなかったのですが、何とか期末課題に「里海資本論」の深読みを追求するところまで持ってこれたのはよかったです。

新書から一部を抜粋し、少し読んでもらいました。そして、それぞれの気づきを書いてもらいました。ここから学びなおしながら、いくつかの問いかけを含んだ期末レポートの課題文を作成しようと思います。あんまりいろいろ書いてしまうと期末レポートのヒントそのものになってしまいますので、それは後にして・・・どういう成果が得られたかはまたここでご報告できればと思います。

ところで、今日は前半で人間による環境激変の一例として、温暖化の議論も出しました。この問題の解決は本当に難しいですね。環境変動で水資源や食料資源の再配分が必要ともなれば、ただでさえ不安定な国際社会の緊張は一層高まるでしょう。この間、国際社会の脆弱さと不安定さは戦後かつてない水準に高まっているように感じます。「この国際社会が合理的に問題を解決させることなどできるのでしょうか?」 こういう問いが口をついて出てしまいましたが、ほんとうに頭が痛いですね。

香川大学児童文化研究会の総会

今年度から、児童文化研究会(どうけん)の顧問を仰せつかりました。

sites.google.com

この春に一度総会の場でご挨拶に行ってきましたが、昨日は第2回目のごあいさつでした。

先日、幸町南キャンパスにある彼らのサークルボックスに立ち寄ってみましたけれど、ほんとうに昔懐かしいガラパゴスみたいなサークルボックス棟の中にありました。狭い部室にたくさんの部員が集まっていて活気に満ちています。このボックス棟は掃除も実にいきわたっていて(皮肉です)、本当に汚いのですが、自分の学生時代のサークルボックス風景そのまま。とても安心しました。それに、他のサークルもそうですけれど、学生がそれぞれ自分の役割をもって本気で何かをしている空間って気持ちがいいです。先輩は先輩らしくどっしりしているし、後輩は一生懸命やっています。部長(あるいは「どうけん」なら会長)は部長らしくどこか全体を見回しながら動いています。学生はこういう空間で育っていくのでしょうね。昔も今も変わりません。

「どうけん」は、よく地域で子ども会の行事等に呼ばれて役割を果たしてきているようです。地域や学校関係者の方々にしっかり支えていただいていることに感謝申し上げるとともに、そのような信頼を得て活動を展開している「どうけん」の皆さんにも敬意を表したいと思います。地域の方の信頼を得て、期待に応えて取り組みを継続していく活動は、上に書いたような先輩から後輩へと連なる歴史を通じた伝承の力によって培われ、伝えられているのでしょう。

彼らは今年、丸亀町の離島広島で夏のキャンプを行うようです。私の関係している人間環境教育コースでも、インターンシップに行ったりフィールドワークで訪れたりしている島です。300人台の人口しかなかったと思いますが、頑張っている島です。ここに「どうけん」が何十名で訪れるのですから、島の空気そのものを変えてしまうのではないでしょうか? インドへ研究出張に出ている時期なので覗きに行くことはできないですが、また島の人からうわさを聞くかもしれません。楽しみです!

顧問としては本当に未熟ものですが、よろしくお願いいたします。

星を見る会開催!

7月20日の夕方19:00~、星を見る会(Star Watching Party)を開催しました。 授業「宇宙地球環境論」の一環として、都合のついたメンバー6名の協力を得て、タイからの短期留学生の8名をご招待して行いました。当日これなかったけど準備に参加してくれた学生さんもいます。 まずアトラクション。

だいたい4つの内容になりました。笹の葉飾りの時には、笹の葉の絵をあらかじめ模造紙に書いておいて、短冊をそこに張り付けてもらいました。日本語、英語、韓国語(交換留学生)にタイ語が加わり、4カ国語の短冊になりましたので、神さまも驚いたのではないでしょうか?

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そのうちに外も暗くなって、20:00前に屋上へ。 いま南から西の空によく見えるのは3つの惑星(火星・土星木星)です。 時々雲に隠れたりもしながらですが、いずれも広がりを持った天体として観測できました。 特に木星には4つのガリレオ衛星と大気の縞々がくっきりと見えました。 土星も見事に輪を見せてくれました。 夏の大三角は雲の影響もあって微妙で、二等星以下がなかなか見えてこなくて星座も十分見えないですね。

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でも、星が見えて本当に良かったです。

それに、受講生の皆さんが熱心に協力してくれて楽しんでくれたのが何よりうれしかったです。 では期末レポートにも引き続きぜひ取り組んでくださいね!

バングラデシュのテロ事件について

バングラデシュのダッカは、気象学や防災のための研究目的で毎年何度も訪れる場所です。テロ事件のあったグルシャン地区は、比較的新しく開発された地区で、外国人も多く訪れ、高級住宅が並び、高級ホテルも多く、外国人向けの料理店もたくさんあります。 この地域のホテルに宿泊して近隣の料理店で夕食をいただくのがわたしのダッカでの日常でした。今回のこのテロ事件は、私自身がその対象であった可能性があります。すべての犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、そのご家族、ご友人に対し、心よりのお悔やみを申し上げます。また、実行犯やその背後にあるものたちを糾弾します。 私のダッカでの日常はしばらく実現が難しくなりました。 研究上も非常に大きな困難を抱えることになりました。

バングラデシュはとても親日的な人たちが主流です。パキスタンからの独立に際しては世界に先駆けて支援しましたし、その後も系統的に援助をつつけてきました。新旧のトヨタの車も愛されていてたくさん走っています。 しかし、ISの影響がおそらくあり、日本を敵視する暴力的潮流のことも念頭に置いて活動を進めなければならなくなりました。今回の事件の実行犯が、昨年秋のロングプールでの日本人射殺事件にも関与していた、との報道( バングラテロ実行犯の一人、昨秋の日本人殺害に関与か:朝日新聞デジタル )もあります。昨年秋以降系統的に外国人を狙う動きが組織的背景を持って行われてきたことを示しています。

バングラデシュにはこの間日本企業の進出も多く、例えばユニクロの商品にもバングラデシュ製のものが多く流通しています。こういう日本企業のうごきも大きな制約を受けざるを得ないでしょう。

この難局をどう乗り切っていくのか思案しています。ただ、こういう世界的混乱を私たちにもたらした原因は、米国の誤った愚かしい中東政策だとやっぱり思います。これに無批判について行くような日本にしてしまうことだけは絶対にしたくない。正直な気持ちです。

この間の政治家との対話から

「選挙フェス香川」さんにお世話になり、今回はいろいろな地元政治家さんたちの意見をうかがえる機会ができたことは本当に良かったと思います。感じたことをいくつかとてもかいつまんで。

安全保障論について

思いやり予算地位協定などを通じて米軍との関係が問題になることがあります。そのとき、では日米安保体制を否定するのか? 一方では、沖縄の痛みを理解しないのか? という話になって水掛け論になりがちなのはちょっと。日米安保体制や自衛隊の存在を前提にして、なぜオスプレイなのか、なぜ辺野古なのか、という問いに対して、安全保障の論理でその合理性を検討するような議論もしたかったですね。沖縄に痛みを押し付けるに足るだけの合理性があるのか? という問題を、軍事的合理性の中で検討する必要があるのだと思います。

平和外交について

安保法制などの軍事的な議論に偏重している。平和外交をこそ進めるべき。というある候補のお考えはよくわかりました。北東アジア平和協力構想というプランも魅力的だと思います。ただ、あとで良く考えてみると、じゃあ外交と双璧であるべき、軍事的備えに関する検討はどのように考えているのか、ということに関する議論まで行かなかったのは残念でした。護憲派のほうも自衛隊の存在を前提とした政策を打ち出すようになってきたことは歓迎しますが、もう一歩、どの程度の自衛隊装備を、どのような脅威を根拠に整備するべきであるかについても、見解を示してほしいです。現在の政権の政策に対する有効な投げかけにもなると思うのですが・・

税金の取り方について

すべての税金(消費税・法人税所得税など)について税率を引き下げる、という主張の候補がいたのには少し驚きましたが、基本的な対立軸は、法人税所得税最高税率部分を上げるのかどうか。というところにあるようです。僕は基本的に累進性をもうすこし再び強くすることが重要だと思っていますが、これについては二つくらい反論があるようです。一つはそれによってより直接税に頼ることになるので、税収が不安定になる。という批判です。直間比率の問題ですね。これは後で別項を立てて論じます。もう一つは、それによって企業やお金持ちが海外に逃げてしまうのでは? ということ。グローバル化の下で各国の主権よりも、多国籍企業の方が強い権力を持つに至っていることをもっと問題視するべきだと感じています。

直間比率について

間接税は税収が安定している(年による変動が少ない)ということから、間接税の割合を増やす必要がある。という主張があります。わたしにはあまり納得できないのですが、結構こういう議論は影響力があるのでしょうか? 消費税は確かに税収が非常に安定しています。景気の良しあしの影響を受けにくいようです。でも、それは逆に言うと、景気が悪くても人々が必要なものを買わなければならないので税負担を強いられているということでは? それに、景気はよくなったり悪くなったりするのだから、そこは財政が吸収して年によっては大きな赤字に、年によっては大きな黒字にしたらよいのでは? 消費税は逆進性があることから、所得再配分の機能に逆行することは明らかで、「安定する」ということで正当化することは難しいと僕は思うのですが。

核兵器保有論について

これも公約に掲げる人がいて驚きました。核保有国がそばにいるから当然。核兵器を持たなければ国家の主権を主張することもできない。ということなのでしょうが、本当でしょうか? だとすると、中国に隣接するモンゴルも、ベトナムも、タイも、ラオスも、カンボジアも、ミャンマーも、みな核保有しないといけないということになるのでは? デモ実際にはこれらの国も、それぞれ中国とも渡り合っているじゃないですか。核を持たなければ震え上がって何も言えない、というのは、なんともおかしい。どうして日本だけこういう弱腰になっちゃうのでしょう??